CROSS TALK実績対談インタビュー

サービス改善のソリューション
共にサービスの未来をつくるパートナー

INTERVIEW

株式会社フジテレビジョン
総合事業局コンテンツ事業センターコンテンツ事業室
枝根 聡樹

INTERVIEW

株式会社Kuqulu 代表取締役社長小笠原 健治

サービスの過渡期に抱えていた、サポート体制への不安とジレンマ

枝根:
フジテレビオンデマンド(以下FOD)は、フジテレビジョンが運営するインターネットテレビ・電子書籍配信サービスです。
実は、このサービス自体は、Kuqulu(以下ククル)さんと契約する前から立ち上がっていて、コールセンターも別の委託先がありました。
ただ、サービスのリニューアルをすごく繰り返していて、大きな過渡期を迎えることになります。
それが、回線の発展、LTEが普通に使えるようになって、スマホで動画を見るのが当たり前になった時でした。

そのタイミングで、スマートフォンのサービスを始めていまして、かなり利用者が増えてきたタイミングにF1の放送のライブ配信を始めてみたり、その翌年には放送終了後に無料で見られるようなサービスを始めよう、電子書籍のサービスを始めようという計画があった中で、今の運用体制で問合せや、お客様の声を拾いきれるのだろうかという心配がありました。

サービスの過渡期に抱えていた、サポート体制への不安とジレンマ

さらに言うと、サポートの重要性をわかりつつも、それまでのサポートセンターは都内にあり、ファシリテーションの設備に関する費用等、場所に応じて費用がかかる取引になっていたので、オペレーションのクオリティが変わらないのであれば、コストを抑えられるソリューションがないかと考えていたところでもありました。

「 選択と集中 」効率化とおもてなしで感動をつくる

小笠原:
ちょうど、そのタイミングで枝根様にご提案させて頂く機会があって、我々の得意分野ではないかということで、張り切ってお話をさせて頂きました。(笑)
僕らは『選択と集中』だと思っていまして、サポートセンターや、チャットで自動回答ができるものを導入するというような自動化もそうですが、お客様がご自身で解決できるようなところはなるべく効率化していくと。

ただ、入会専用のところではしっかりご案内するとか、今後のプロモーションの中で、入会してもらえる方々が分かりにくいところを、我々がどんどん解決するなど、かけるところをハッキリさせて、最終的にはFODというブランドで良かったなという感動を持ってもらえるようなサービスの一部になりたいという思いをご提案させて頂きました。

枝根:
我々としては、お客様の声をサービスに反映させることを1番に考えているので、方針として共感できましたし、実際に、多くのご提案を頂けているということも含め、これまで長く継続してお取引しているというところですね。

徹底したサービス理解が顧客の付加価値につながる

徹底したサービス理解が顧客の付加価値につながる

枝根:
FODのサービス自体に変化が多く、動画配信だけでなく電子書籍のサービスを行っていたりだとか、ライブの配信サービスを行っていたりとか、課金形態に関しても複数の課金形態があったりします。

お客様のトラブルを解決するために、我々のサービスの内情を把握頂くということが、そもそも、かなり負荷が高いことなのですが、弊社を担当しているククルのディレクターさんのFODサービスに対する理解が深く、サポートセンターのスタッフさんにも行き届いています。

長くお付き合いを頂いて、かつサービス当初から我々の背景のことを知っていらっしゃるので、かなりスムーズにコミュニケーションが取ることができ助かっています。

小笠原:
当社では、ディレクターは専任担当制なんですね。ディレクターは、全般的に自分の案件だという認識で、色んなことを聞いたりしながらそれをセンターへ落としますし、その逆でセンターもディレクターのエキスを受けていますので、自分たちのサービスだという意識で向き合っています。これが良い効果を生ませてもらっているベーシックな部分ではないかと思っています。同じ方向を向いてやらせて頂けることが、僕らも何より嬉しいと思っています。

枝根:
1番サービスの変化が激しい時に一緒に取り組みをさせて頂いているので、安心感はすごくありますね。我々が新しいサービスを始めるときに、かなり無理があるタイミングで共有させてもらっても、対応策をしっかりと考えてくれています。

FODのサービスが、同じ見放題というサービスでも作品によっては見放題の対象ではないとか、決済方法によってトラブルの事象が違うとか、お客様にとって難しいサービスの性質を持っていたりします。

そのため、ククルさんと取引を始める前から比べると、問い合わせの件数は4倍以上に増えています。それでもスムーズにサービスができているのはサポートして頂いているからこそ、最後のお客様との砦としてサポートして頂いているというのが大きいと感じています。

お客様の声とともにソリューションを提案

小笠原:
新たなサービスが始まる時は、どのようなものかをヒアリングさせて頂いて、ディレクターが、予測を立ててどのようなところに気を付けるべきかを洗い出すんですね。それを現場に1回聞いて、現場のサービスと向き合っている人間からも確認事項を出します。

最終的には、クライアントさんに確認して頂いて、8割ぐらいの想定できる問答の想定を作っておきます。それをサイトに反映して頂いたりと、打てる対策をしておきます。後の2割は想定外なので、またノウハウを積むために1つずつ丁寧に対応していくという感じですね。

枝根:
場合によっては、ククルさんのディレクターの方が、我々よりもサービスに詳しくなっているかもしれない(笑)
どうしてもサービス本位になってしまうところを、実際にお客様の声を聞いているククルさんの立場から改善提案を出してもらえることは、お客様の感覚を知る1番良い機会だと思っています。

お客様の声とともにソリューションを提案

そういった面で、ククルさんの方で吸い上げて頂いたものを、どうやって我々のサービスの改善に活かしていけるかが肝になっています。

ククルさんの場合、単純にクレームがきているだけではなくて、「お客様からすると、こういう動線の方がいいと思いますよ」と、ソリューションまで含めてご提案頂くので、サービスとして改善を実行に移しやすく、お客様の声をダイレクトに改善に繋げるということができています。

小笠原:
僕らとしては、意見をきちんと取り入れて下さることが、とてもありがたいですね。月に1度の熱い会議があるんですが。笑。この熱さがすべてです。
「お客様からこんな意見が出ています。ここを変えましょう」と言うと、その会議で、すぐに変えようと決めてくださるスピード感や、サービスがちゃんとお客様の方を向いていて、お客様を大事にしてることが、僕らにとって1番のやりがいです!

サービスの一員としてどれだけ仕事ができるのか

枝根:
驚いたことがありまして・・・、FODは放送局がやっているサービスなので、FODというサービスに関係ないクレームやお電話が来てしまうことがあります。その際にも、ククルさんのメンバーの方は、本来ならサービスが終了している時間にもかかわらず、サービス終了時間を越えていても電話の対応を真摯に長くお付き合い頂いていたと。

後から聞いてみると、その内容は実はFODには関連するというよりかは、弊社で放送していたテレビ番組に関するご意見やご感想だったということがありました。

その際にも真摯に対応をして頂いているという観点から、あくまでFODのサポートセンターをご依頼していますが、フジテレビのサービスのサポート窓口として、お客様との関係性をとても大事に扱って頂いているなと。

本来であれば、「そういったサービスは行っていません」と、すぐにケースクローズしてもよいところを、次対応としてお客様の声を受けて頂くというところの姿勢や体制に感謝しています。

パートナーとしての取組が、サービスに進化を生む

小笠原:
サービスの一員としてどれだけ仕事ができるかということを1番のポイントに置いていますので、すごく嬉しい言葉です。ありがとうございます。

僕らの方こそ、FODのサービス進化と共に、成長させてもらっているというか・・・例えば、チャットサポートの導入のお話を頂いて、他でもいくつかチャットをやっていた事例があったので、ご提案を差し上げました。

そこでも、更に「こういうことやりましょう」ということが、サポート会議やその後の打ち合わせも含めて出てくるので、僕らが思っていたよりも、もう少し先をいくようなチャットのサポートにもなっていくんですね。

例えば、夜間の時間はすぐには答えられないけど、チャットでどうにかならないか?と、ご要望を頂く、僕らからは、定型のものに関しては3段階くらいまでは自動で答えられるようにしているので、そこで答えられなければ人間出ますねと仕組を作ってみたり。

パートナーとしての取組が、サービスに進化を生む

最初は、これくらいかなと思っているところに、サービスの考え方だったりユーザーの声を合わせていくと、FODというサービスの進化とともに僕らがやっているサポートも、もっと高いもの、良いものに引き上げてもらえたりするので、僕らがプロであるべきなので勉強になると言ったらダメなんですけど、すごく刺激を頂いて僕らのサービスも進化できているという感じかなとは思っています。

コミュニケーションのあり方を変えるサポートセンター

枝根:
サービスを始めた当初は、解約に関する問い合わせみたいなところが、1番のボリュームゾーンで「どうやったら、もっとサービス使えるんですか?」とかお客様からご意見をもらう機会が、実は少なかったんですよ。

今は、サービスが変わってきて、アクティブなユーザーが更に増えてきたこともあると思いますが、「これをテレビで見るにはどうやって繋げたらいいんですか?」とか「この作品配信してくれませんか?」みたいなものがグンと増えました。

弊社からすると、強い思いがある方が見たい作品は実際に配信をすべく調整をしています。
クレームではなくお客様の思いを拾い、反映させていくということがかなり進んだと感じています。

それは、1つ1つは小さなことですが、問い合わせ1つにしても、「お客様の情報をもらったうえで調べてから回答した方がいんじゃないか」というような、動線の改善やお客様が自分から解決方法を見れる情報をわかりやすく設置しておくという積み重ねの結果がお客様のストレスを減らし、サポートとお客様とのコミュニケーションのあり方自体も変わってきているのかなと思いますね。

小笠原:
一進一退ではありますが、会員数がバーッと増えている中でいうと一緒にいろんな工夫をしていることによって、問い合わせが倍々に増えているわけではないという世界を一緒に作れているというのは成果なのかなと思っています。

攻めの一手になれるサポートセンターを目指して

枝根:
我々は「FODサポートセンター」という言い方をしていますが、その運営を担ってくれているのがククルさんですね。最初にも少しお話しましたが、サポートセンターは、サービスの主体からするとコストセンターに見えがちで、どうしてもコストを抑えることに重点がいきがちです。
でも、そうすると最終的にお客様への案内をする守りがメインになってしまう。
守りは大事な観点だと思いますが、そうではなくククルさんと攻めのサポートセンターを実現していきたいと思っています。

入会登録のページや、キャンペーンサイトをある程度眺めている方がいれば、離脱をする前に「何かお困りごとありますか?」とか「どんな作品見ようと思って来られたんですか?」というおもてなしチャットが出てきたり、困った時に電話番号を表示して実際に疑問があったらいつでも掛けてきてくださいというような入会の促進になるような攻めの一手のサポートを今後はお願いしたいなと思っています。

攻めの一手になれるサポートセンターを目指して

小笠原:
まさしく。
普段の定例会議では現状の問題を話すことが多いですが、将来的な話もよくさせて頂いているので、そこにズレもなく今後そういうところで力になっていきたいなと思っています。
その最初の効率化のところで、AI含めて力をいれていきたいプロモーションの部分、入会促進の部分でどうやって力を使っていくのかなど。あとは、新しいツールも増えてきているので、そういうのもうまくサポートの中に組み込んでいけたら面白いのかなと、アイデアは尽きませんね。

枝根:
完全自動化は無理だと思っているんですよね。ただ、実際に型に沿って対応できる部分、そうでない部分がある。そうでない部分に、ククルさんの強みを活かせるのかなと思っています。特に入会の部分では、一人一人どのような思いで登録しようと思っているかは違います。

「野球のライブを見たい」「コアなドラマを見たいけど、配信していますか?」とか。お客様のあと1歩というところで、サポートして頂けるだけで入会するお客様が大多数いらっしゃると思うので、その辺りをうまく促進できるような体制が築ければいいなと思っています。

自動のオペレーションが広まって、少しコスト的に余裕ができた部分を、お客様の背中を押すサポートの運用をFODとして一緒に築いていけたらと思っています。

ククルさんとは、人としてコミュニケーションを図っていくうえで、1番信頼がおける関係というところで、パートナーとして一緒に取り組めているというのが、僕らとしても1番有り難いですし、そこが原点かもしれないですね。

小笠原:
おっしゃる通りですね。今後もチームの一員としてFODの益々の発展に向け努めて参ります。本日はありがとうございました。

  • HOME
  • 実績対談インタビュー